AW Genko は、文章を縦書きの 400 字詰め原稿用紙(20 列 × 20 マス)として表示する WordPress プラグインです。字下げ、禁則(ぶら下げと追い出し)、ルビ、縦中横、題名と氏名、魚尾といった原稿用紙の作法でサーバー側が組み、編集画面では原稿用紙のまま縦書きで入力できます。docx と PDF にも書き出せます。AW Genko は AW WP Plugin シリーズの一つですが非売品で、販売の対象にはしません。
見本
夏目漱石「吾輩は猫である」の冒頭 2 段落(青空文庫)。ルビは青空文庫の記法をそのまま書いています。用紙が 2 枚になるので、下の釦や左右の矢印でめくれます。書体はしっぽり明朝(Google Fonts。設定で有効にしてあるときだけ読み込まれ、無効なら端末の明朝になります)。
吾輩は猫である 吾輩は猫である。名前はまだ無い。 どこで生れたかとんと見当がつかぬ。何でも薄暗いじめじめした所でニャーニャー泣いていた事だけは記憶している。吾輩はここで始めて人間というものを見た。しかもあとで聞くとそれは書生という人間中で一番獰悪な種族であったそうだ。この書生というのは時々我々を捕えて煮て食うという話である。しかしその当時は何という考もなかったから別段恐しいとも思わなかった。ただ彼の掌に載せられてスーと持ち上げられた時何だかフワフワした感じがあったばかりである。掌の上で少し落ちついて書生の顔を見たのがいわゆる人間というものの見始であろう。この時妙なものだと思った感じが今でも残っている。第一毛をもって装飾されべきはずの顔がつるつるしてまるで薬缶だ。その後猫にもだいぶ逢ったがこんな片輪には一度も出会した事がない。のみならず顔の真中があまりに突起している。そうしてその穴の中から時々ぷうぷうと煙を吹く。どうも咽せぽくて実に弱った。これが人間の飲む煙草というものである事はようやくこの頃知った。
本文 447 字、原稿用紙 2 枚
特長
- 原稿用紙の作法:段落の先頭の字下げ(「『( で始まる段落は字下げしない)、句読点と閉じ括弧のぶら下げ(または追い出し)、小書きの仮名と長音の追い出し、開き括弧を列の最後に置かない、2 桁の数字の縦中横、題名は 1 列目に上から 3 マス空けて、氏名は 2 列目の下詰め。
- ルビ:青空文庫と同じ記法(
|親文字《るび》と漢字《かんじ》)を読み、列の脇に小さく縦に出します。 - 書体:端末の明朝とゴシック、Google Fonts の縦書き向きの書体 12 種(Noto Serif JP、しっぽり明朝、Zen Old Mincho、解星 特ミン、BIZ UD明朝、クレー One、Zen 紅道、よもぎ、油性マジック、佑字 肅 など)、サイトに入れた任意の書体。Google Fonts は設定で有効にしたときだけ、使う用紙があるページで読み込みます(既定では外部へ接続しません)。
- 紙をめくる:用紙が複数あるときは重ねて表示し、釦、左右の矢印、スワイプ、舞台のクリックでめくれます。右端から丸く柔らかく捲れて左へ返る、本物の紙のような動き付き。伏せた紙は用紙の外でふわっと消え、前へ戻るときはふわっと現れてから起き上がります(動きを減らす設定では即時に入れ替え)。上から下へ並べる表示も選べます。
- 原稿用紙のまま入力:編集画面の入力欄は縦書きの原稿用紙そのもの。マス目の上を文字が縦に流れ、20 字で次の列へ折り返します。IME はそのまま使え、字数と枚数が常に見えます。素のテキストの欄とプレビューにも変更できます。
- docx と PDF:docx は 1 枚が 1 つの表(右から左、縦書きのマス、ルビ付き)で、Word で原稿用紙の清書として開けます。PDF はサーバーで作り(A4 横、ベクターの罫線。字形は閲覧側の日本語フォントに依存)、字形を重視するなら「印刷」(用紙だけを印刷)からブラウザの「PDF に保存」が使えます。
- JavaScript が無くても崩れない:用紙の表示は CSS だけで完結し、ツールバーとめくる動きだけが JavaScript です。出力はすべてエスケープし、本文中のショートコードは実行されません。
- 日本語対応:管理画面とブロック編集画面の両方に日本語訳が入っています。
使い方
ブロックエディターで「AW Genko」を追加し、原稿用紙の入力欄に本文を書きます。題名、氏名、用紙の色、書体、並べ方、字下げ、禁則、ルビ、縦中横、魚尾、字数と枚数、ツールバーは右側のパネルで選びます。ショートコードでは次のように書きます。
[aw-genko title="吾輩は猫である" author="夏目漱石" color="green" font="shippori-mincho" layout="stack"]
吾輩《わがはい》は猫である。名前はまだ無い。
どこで生れたかとんと見当《けんとう》がつかぬ。
[/aw-genko]
属性は [aw-genko] とブロックで同じ名前です:title、author、color(green / sepia / blue / black)、font、font_family、layout(stack / scroll)、indent(auto / always / none)、kinsoku(burasage / oidashi / none)、ruby、tatechuyoko、fishtail、counter、toolbar(1 / 0)。
書き出し
- docx:A4 横、1 枚 1 ページ、1 枚 = 1 つの表。書体は候補の名前と系統の代替名を入れ、閲覧側に無ければ Word が代替します。
- PDF:フォントを埋め込まず、閲覧側の標準の日本語フォント(Adobe-Japan1)を参照します。日本語フォントの無い環境では文字が出ません。絵文字などは □ になります。
- 印刷:用紙 1 枚を 1 ページに横向きで。ブラウザの「PDF に保存」で画面と同じ字形の PDF になります。
動作環境
- WordPress 6.5 以上(7.1 で検証)
- PHP 7.4 以上(8.3 で検証)。docx の書き出しには PHP の ZipArchive が要ります
- ブロックテーマとクラシックテーマの両方。外部との通信は既定で無く、設定で Google Fonts を有効にしたときだけ、その書体を使う用紙があるページで fonts.googleapis.com に接続します
更新履歴
- 1.0.4(2026-10-22):めくっている間は不透明のままにし、伏せた位置でふわっと消える / ふわっと現れるようにする。Firefox で裏面に文字が透けるのを直す。
- 1.0.3(2026-10-22):めくる動きのちらつきを無くし、捲れるにつれて徐々に薄れ、戻るときは徐々に濃くなるようにする。
- 1.0.2(2026-10-22):めくる動きを紙の曲げにする。右端から丸く柔らかく捲れる(表示側と編集画面)。
- 1.0.1(2026-10-22):めくる向きを変更。右端が持ち上がって左へ返り、前へ戻るときは左から戻る(表示側と編集画面)。
- 1.0.0(2026-10-22):初版。ブロックとショートコード、原稿用紙の作法、ルビ、書体 15 種、重ねてめくる表示、原稿用紙のままの入力、docx と PDF、日本語訳。
AW WP Plugin シリーズ
本製品は、WordPress の投稿画面で技術的な内容をきれいに見せるプラグイン群「AW WP Plugin シリーズ」の一つです。7 製品は同じ作り(同じ編集画面、同じ設定の形、同じ更新の仕組み)で、同時に有効化しても互いに干渉しません。シリーズの一覧もご覧ください。
- AW Term — 端末のセッションを、打つ動きと出力の順で再生。10 種の端末の見た目、コピー、テーマ切り替え。
- AW Code — 185 言語のシンタックスハイライト。行番号、行の強調、折り返し、90 種のテーマ。Crayon の記法もそのまま表示。
- AW Carousel — 見本や画面を切り替えて見せるカルーセル。写真と動画向けのリッチモードは拡大表示と全画面に対応。
- AW Markdown — Markdown をそのまま書ける。Mermaid の図は読者の明暗に合わせて描画。コードは AW Code の表示に。
- AW Formula — KaTeX の数式、mhchem の化学反応式、SMILES からの構造式。JavaScript が無くても元の記法が読める。
- AW Contact — 問い合わせフォーム。迷惑投稿対策と受信の記録を備え、同じ部品を WordPress の無いサイトにも置ける。
- AW Genko(このページ)— 縦書きの 400 字詰め原稿用紙。禁則とルビを組み、編集画面でも原稿用紙のまま縦書きで書ける。非売品。