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Intel N100 の Radxa X4 で、ファンの段制御が Linux からできない理由と Wake on LAN の落とし穴

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実測日: Sat Aug 22 2026 09:00:00 GMT+0900 (Japan Standard Time)

Raspberry Pi サイズの x86 ボードとして Radxa X4 を使っていると、小さなファンの音が気になる。
温度に応じて回転数を落とせれば静かになるはずだが、Linux からはできなかった。
本記事では、4 台(X4 が 2 台、X2L が 2 台)で測って「できない」と判断した根拠と、同じ 4 台で踏んだ Wake on LAN の落とし穴を示す。

hwmon にファンが無い

/sys/class/hwmon にあるのは acpitz、nvme、coretemp の 3 つだけで、pwmN も fanN_input も無い。
ファンを PWM で制御する口が、カーネルから見えていない。

Super-I/O チップがあれば、そのドライバを読み込めば現れる。
nct6775、it87、w83627ehf、f71882fg の 4 つを試したが、いずれも modprobe が "No such device" を返した。
なお modprobe nct6775 は失敗しても nct6775_core と hwmon_vid を残すので、後始末には両方の rmmod が要る。

EC(組み込みコントローラ)は ACPI に宣言だけあり、_STA が 0 で無効になっている。
OS から見える EC は無い。

ACPI の cooling device は 2 段しかない

ACPI の Fan は cooling device として見えるが、max_state が 1 で、止まるか回るかの 2 段しかない。
しかも、この Fan を動かす温度センサ acpitz が 27.8 度で固定されている。
負荷でパッケージ温度が 43 度から 61 度まで動いても acpitz は変わらないので、40 度から 105 度に置かれた active trip は構造的に発火しない。

負荷をかけたときに温度が下がる現象も観測したが、これはファンではない。
RAPL の PL1 が 6 W に設定されており、周波数が 2.9 GHz から 2.4 GHz へ落ちた結果である。

X4 にだけ /sys/class/pwm/pwmchip0(\_SB_.GPI0、npwm=1)があり、これがファンにつながっている可能性は残る。
配線は未検証で、本記事の時点では結論を出していない。

BIOS に入るには systemctl reboot --firmware-setup が使える。
OsIndicationsSupported の bit0 が立っていることを確認した。

Wake on LAN を消す者はホストごとに違う

4 台とも ethtool -s <if> wol g で WoL は有効になる。
しかし ethtool -s は実行時の状態を変えるだけで、r8169 は EEPROM に保持しない。
再起動のたびに誰かが戻すので、誰が戻しているかをホストごとに調べることになった。

機 管理主体 事情
X2L(NetworkManager 1.36) NetworkManager netplan が生成した NM プロファイルが wake-on-lan=0 で毎回無効化していた
X2L(NetworkManager 1.46) NetworkManager wake-on-lan=1(既定)。NM 1.46 の組み込み既定が magic
X4 の 2 台 systemd-networkd 設定なし。igc の NVM 既定で g

同じ X2L でも NetworkManager の版で既定が違い、X4 は管理系が違うので設定が要らなかった。

NetworkManager で直すときの注意が 2 つある。
systemctl reload NetworkManager(SIGHUP)では接続プロファイルが読み直されず、nmcli connection reload が要る。
そして NM-<uuid> 形式のデバイス ID を持つホストに netplan の snippet を置くと、別のプロファイルが新設されて経路を奪う。

実測では、magic packet から X4 は約 20 秒、X2L は約 12 秒で SSH に到達した。

静音化の現実的な選択

Linux 側で段階制御する道は閉じている。
残る選択は、BIOS 側にファンの設定があるかを確認すること、またはファン自体の交換である。
RAPL の 6 W 制限が効いているので、負荷時でもファンが全開になる時間は短い。
常時稼働の小型サーバーとしては、音よりも WoL の永続化のほうが運用に効く。

この記事で扱った機材

Radxa X4(Intel N100)

Intel N100 を載せた Raspberry Pi サイズの x86 ボード。ファンは ACPI の 2 段制御のみ。


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